2022/8/8

腸内環境を整えるための食事

食事と胃腸

前回の投稿では、姿勢と胃腸の関係についてお伝えさせていただきました。

今回はそれに関連して「食事と胃腸」の関係について。

「腸内環境を整えることが大事」というのはよく聞きますが、この記事では

・なぜ大事なのか?

・腸内環境を改善するための食事

についてお話ししたいと思います。

食事をするということは、胃腸の正常な働きが欠かせません。

人間は食事をする際、「咀嚼」「嚥下」「消化」「吸収」「代謝」「排泄」という過程を経て体を作っていきます。

胃腸の「消化」「吸収」という能力が弱っているとき、食事をしても十分に栄養素を身体に取り込めないし、そもそも食事をしたくないということすらあるかもしれません。

そのため、腸内環境を整えてしっかりと上記の過程を経ることができるようになる必要があります。

脳と胃腸の関係

胃腸は全身に大きな影響を与えていると言われています。胃腸は全身の臓器と神経で繋がっていて、お互いに影響を与え合っているからです。

その中でも、脳と腸がお互いに情報を交換している「脳腸相関」と呼ばれるものがあります。

腸には約1億個の神経細胞があって、「第二の脳」とも言われています。腸の状態が悪くなると、脳にも悪い影響を及ぼすことがあるのです。

腸内環境を整えるとは?

腸内環境を整えるということは、腸内細菌をのバランスをよくするということです。

腸内細菌については以前に投稿した記事を参照してほしいのですが、これを読んでくださっているアナタの「オナラが臭い」「便が黒っぽい」「硬い」などの症状があれば、腸の健康状態を考えることをオススメします。

また、やたらと肉やジャンクフードが食べたくなるなどに心当たりのある方も、もしかしたら悪玉菌が優勢な状態の腸内環境にあるかもしれません。

人間の食事の好みは腸内細菌が左右しているかもしれないという話もあるからです。

腸内環境が乱れることのデメリット

・便秘、下痢、腹痛、お腹の張り、オナラが臭い、食欲不振などの消化器の症状

・大腸がん、肝臓がん、乳がん、子宮頸がんなどのリスクが高くなる

・不眠、イライラ、慢性疲労、認知症、パーキンソン病、鬱症状などの精神的な状態の悪化

・髪の艶がなくなる、口臭、肌荒れ、シワなどの肌の老化、猫背、むくみ、冷え性、爪の割れやすさ、などの見た目の状態の変化

・生理痛、肩こり、腰痛などの痛みの増強

・肥満、痩せにくいなどの代謝の異常

・免疫力の低下、アレルギー症状の悪化や出現

・高血圧、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病のリスクが上がる

ざっとこれらが、腸内環境が乱れることで起こるデメリットです。

なんか怖い話ばかりしていて申し訳ないですが、これが事実なんですね。

良い腸内環境にするための食品

良い腸内環境にするためには、人間の身体に良い腸内細菌=善玉菌を増やすことが必要になります。

その食品についてお話しする前に、善玉菌を増やすための食事のちょっとした用語について説明させてくださいね。

プロバイオティクス

善玉菌自身を食事として摂ること

プレバイオティクス

善玉菌の餌になるものを食事として摂ること。食物繊維やオリゴ糖など

シン・バイオティクス

善玉菌自身と善玉菌の餌になる食品を同時に摂ること。

プロバイティクス+プレバイオティクス。

では、ここから食品についてお伝えします!

腸内環境を整えてくれる食品は以下の4つです。

1.発酵食品

2.水溶性食物繊維

3.オリゴ糖

4.EPA・DHA

それぞれについて解説します!

1.発酵食品(プロバイオティクス)

代表的な食品

・ヨーグルト:ビフィズス菌などの乳酸菌が含まれていて、製品によって菌の種類が違うのでご自身に合ったものを選ぶのが大事です。僕は毎朝、豆乳ヨーグルトを食べています。

・味噌:3種類の善玉菌を摂取できるほか、大豆由来の食物繊維も含まれていて、腸と腸内細菌には嬉しい食べ物。

・納豆:納豆菌は生きて腸まで届き、消化を助ける働きもあります。

他、醤油・酢(ダイエット効果もあり!)・キムチ・甘酒などもオススメです。

ちなみに、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、発酵食品の多くは塩分が多く含まれます。カリウムの多い野菜なども一緒に食べるようにしましょう!

2.水溶性食物繊維(プレバイオティクス)

食物繊維は腸内環境のバランスを整えてくれます。また、善玉菌が水溶性食物繊維を分解したときに作られる短鎖脂肪酸は、腸管のエネルギー代謝を上げ脂肪燃焼効果もあると言われています。

代表的な食品

・海藻類:ぬめり成分に食物繊維が含まれていて、カリウムやカルシウム・マグネシウムなどの栄養素も摂ることができる。

・ごぼう:食物繊維が豊富なだけではなく、善玉菌の餌になるオリゴ糖も含まれていて快便効果も期待できる。イヌリンという成分が含まれていて、中性脂肪の低下や食後の血糖値の上昇を抑える働きも!

・ブロッコリー:水溶性食物繊維の中でも腸への効果が高いと言われている。ブロッコリーに含まれるファイトケミカルは抗菌作用が強く、悪玉菌を減らして腸内環境を整えてくれる

他:オクラ、カボチャ、アボカド、キウイ、十割蕎麦など

3.オリゴ糖(プレバイオティクス)

オリゴ糖は乳酸菌の餌になって善玉菌を増やす効果があります。

代表的な食品

・バナナ:便秘解消に役立つ

・玉ねぎ:ポリフェノールが含まれ、がん細胞の増殖を防ぐ効果があり、大腸がんの予防効果が期待できる

・ハチミツ:善玉菌を増やすだけでなく、酵素が消化を助け腸の負担を軽減させてくれる。

※ハチミツの注意点として、1歳未満のお子様には与えないようにしましょう。ハチミツに含まれるボツリヌス菌が悪さをして乳幼児の死亡した例があります。

効果的な食べ方:バナナやハチミツに含まれるオリゴ糖は、善玉菌と一緒に摂ることで相乗効果となるので、ヨーグルトなどと一緒に食べるのがオススメです。僕はヨーグルト+ハチミツで食べるようにしています。

4.EPA・DHA

EPAやDHAはオメガ3脂肪酸と言われ、体内で産生できない栄養素です。そのため、食事から摂る必要があります。また、オメガ3脂肪酸は炎症を抑える作用もあり、腸をはじめとする身体の炎症を鎮め調子を整えてくれます。

代表的な食品

・青魚:脂の乗った旬の青魚にEPA・DHAが多く含まれる

・鮭:抗酸化作用に加え、腸内の炎症を抑える働きがある。大腸がんの抑制にも効果が期待できる。

・アマニ油:成分に含まれるα-リノレン酸が胃腸の働きを活発にして排便を促す。

効果的な食べ方:魚の皮にはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれるので、皮ごと食べると栄養素をより多く摂ることができる。しかし、加熱すると酸化するため、生で食べることが大切。

まずは腸内環境を整えることから

消化・吸収の土台である胃腸を整えずに栄養のある食事をしても、その栄養素は十分に吸収されません。

まずは腸内環境を整えて、しっかりと消化・吸収できる状態にしてから食事を摂るようにしたいですね。

その環境を整えてくれるのも食事なのですが…

この食事の注意点として、SIBOやFODMAPなどがあるのですが、これについてはまた別の記事でお伝えしたいと思います。

というわけで、今回はここまで。

最後までお読みいただきありがとうございました!