
2023/1/17
健康のために「食べない」という選択肢、ファスティングの5つの効果
前回の腸内環境を整えるための食事の投稿では、タイトルの通り腸内環境改善食についてお伝えしました。
ほとんどの方は、腸内環境が改善し体調が良くなると考えられます。
しかし、中には便秘や下痢を起こして調子の悪くなる方もいらっしゃいます。
これは「SIBO(小腸内細菌増殖症)」と呼ばれるものが原因かもしれません。
今回はこのSIBO(シーボ)についてお伝えします。
腸内細菌のほとんどは、基本的に「大腸」の中にいます。
小腸にも存在しますが、かなり少ないのです。その小腸の中で腸内細菌が増殖してしまうことを
SIBO(シーボ) Small Intestinal Bacterial Overgrows
と言います。
SIBOは加齢による腸の機能低下や、小腸の出口であるバウヒン弁(回盲弁)が緩むことで起こります。
本来、バウヒン弁の働きによって大腸から小腸に腸内容物が逆流してくることはありません。
しかし、ここが緩んでしまうことによって、大腸にいる腸内細菌が小腸に逆流してきて増殖してしまうのです。
そうなると、ガスに耐えるような構造をしていない小腸内でガスが充満してしまい、炎症を起こしたり、腸の粘膜が壊されて異物が小腸の毛細血管から吸収されてしまうような症状が起こります。
過敏性腸症候群(緊張したりするとお腹が緩んだりする症状)の方のうち、約80%がSIBOを併発しているというデータもあります。
腸内環境改善食を取り入れたのに、便秘や下痢・お腹の張りや違和感などが続くようであれば、SIBOを疑った方がいいかもしれません。
小腸は、栄養の吸収を行うための大事な臓器です。
この小腸の問題は健康に重大な影響を及ぼす可能性があるので、早めに対処しましょう。
腸内環境改善食を取り入れた後、以下の症状がある方はSIBOかもしれません。
・糖質を控えているがお腹が張る
・パン、パスタなど小麦製品を食べた後に、下痢、便が硬くなるなどの症状がある
・りんごや柿などを食べるとお腹が不快になる
・納豆やキムチなどの発酵食品を食べても便が出ない
・食物繊維を摂ると下痢や便秘、オナラがひどくなる
・乳製品を摂るとお腹が痛くなる
・きのこ類を食べるとお腹が痛くなる
先ほどの症状に当てはまる方は「FODMAP」が原因かもしれません。
FODMAPとは、発酵性のある4種類の糖質の頭文字を組み合わせたものです。
F:発酵性(小腸で吸収されづらく、大腸で腸内細菌の餌になる)
O:オリゴ糖(豆類、小麦、玉ねぎなど)
D:二糖類(牛乳、ヨーグルトなどの乳製品に含まれる乳糖など)
M:単糖類(果物、ハチミツに含まれる果糖)
AND
P:ポリオール(マッシュルームや人工甘味料に含まれる糖アルコール)
これがFODMAPの意味です。
よく食べられている、小麦類・豆類・りんご・ヨーグルトなどが当てはまります。
腸内細菌はそのほとんどが大腸に存在しています。食べたものが大腸に到達するためには、小腸を通過しなければなりません。
小腸で消化・吸収できなかった食物が大腸に届くことで腸内細菌の餌になるのです。
基本的に、腸内細菌の餌になる食品は、人間の腸で消化・吸収できなかったものということになります。
FODMAPという糖質は小腸での吸収率が悪いため、腸内に留まることがあります。そうすると、小腸内で糖質の濃度が濃くなり、人間の性質である濃いものを薄めようとする作用が働きます(濃度勾配と言います)。
それにより血管から小腸内に水分が引き込まれ、腸の働きが過剰になり、下痢や腹痛を起こすといったメカニズムとなっています。
大腸内のバクテリアの餌となったFODMAPは大量のガスを発生させ腸の動きに悪影響を与えたり、便秘やオナラの原因になっています。
もし、腸内環境改善食を取り入れてこのような症状が出た方は、FODMAPを含む食品をできるだけ避けるようにしましょう。
腸内環境改善食を取り入れてお腹の不調が出た場合は、その問題を引き起こしている可能性があるFODMAPをできるだけ避け、「低FODMAP食」(以下の画像参照)を取り入れるようにしましょう。
1.まずは低FODMAP食を続ける
2.徐々にFODMAP食を取り入れる
3.それでお腹の調子が悪くならなければ、そのFODMAP食は食べても大丈夫
という流れで、自分が食べても大丈夫なFODMAP食を見つけていきましょう。
特に気をつけるべきは「小麦製品」。できるだけ控えるのが、良い腸内環境を保つのに大事なことになります。
以上が、SIBO・過敏性腸症候群と、そを引き起こす可能性のあるFODMAPのお話となります!
心当たりのある方は、ぜひ試してみてください。
腸の健康は、心と体の健康につながります!
最後までお読みいただきありがとうございました!