
2023/1/17
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今回は「原始反射」と呼ばれるものについて書いていきたいと思います。
原始反射とは、「生まれてからすぐ起こる動作=反射」のことを言います。
赤ちゃんは何も教えていないのに、おっぱいを加えて吸い付くことで母乳を飲むことができますよね。
あれは「吸啜反射」という本来の人間に備わった機能なんです。
ある刺激を加えることで反射的に簡単な動作を行うことを、原始反射と言います。
この原始反射。生後1年くらいをすぎる頃から消えていきます。
正確に言うと、脳の発達によりコントロールできるようになります。
脳がその反射と言う動きを統合できるようになる、ということです。
一般的に原始反射は、一度脳で統合されれば表に出てくることはありません。
ですが、何らかの影響(脳震盪など)で脳に異常をきたした場合、原始反射が戻ってくることがあります。
また、脳の発育不良によっても原始反射が統合されずに残って位しまう場合もあるそうです。
生まれて間もない赤ちゃんは、人間が人間らしい行動をとるのに必要な大脳皮質(高次脳機能)が発達していないために原始反射が起こります。
でもこれは悪いものではなくて、お母さんのお腹から生まれてくる時、生まれてしばらくの間、生きるために必要な機能。
後述しますが、例えば「脊髄ガラント」と呼ばれる原始反射は、赤ちゃんが産道を通るときに体をくねらせて出てくる時に必要な反射になります。
成長するに従って必要がなくなってくるため、脳が発達することでこの原始反射をコントロールできるようになるというわけなんですね。
(人間の身体はホントよくできている!)
しかし稀に、その反射が大人になって残っている、または再出現している方がいて、その場合は心と体に悪影響を及ぼすことがあります。
・アルツハイマーや認知症がある方は原始反射が出てくることがある
・コミュニケーションが取れない、社会性が欠如している
・姿勢が悪い、運動神経が悪い(動きがぎこちない)
などがあるようです。
「反射」と呼ばれるので、意識して直せるようなものではないんですね。
無意識のうちにそうなってしまう、勝手に体が動いてしまうというのが反射です。
「体が非常に疲れやすい。」「人混みや大きい音がなる場所が苦手」
などの自覚がある人は、もしかしたら…と考えてみてもいいかもしれません。
ちなみに筆者は、「把握反射」と呼ばれる反射が残っていました。
(把握反射についても後述します)
モロー反射とは、赤ちゃんの頭を少し持ち上げてそこから急に落下させるような動きを与えた時に両手と指を広げるような動きを見せる反射です。強い光や音の刺激によっても起こる反射です。
大体、生後4ヶ月〜6ヶ月で統合されていくそうです。
この反射が残っていると、以下のようなことが起きる可能性があります。
・慢性的な疲労感
・光、音、触覚が過敏になるなどの感覚に異常
・それによるストレス過多
・免疫機能の低下
・学習障害
・視覚の障害
把握反射とは、手のひらや足の裏にものが触れるとギュッと握り占める反射。赤ちゃんの手のひらを指で押すと握り返してくれるアレです。
大体、手は生後5ヶ月ごろ、足は生後11ヶ月ころまで続きます。
この反射が残ることで
・書くのが苦手
・物を掴むのが苦手
・つま先歩きになる
などの生活の動きに影響が出るようです。
これは、赤ちゃんの顔を一方へ向けると、顔を向けた側の手足を伸ばして、その反対側の手足を曲げる動作が起こる反射。
生後3~9ヶ月でなくなる反射とされています。
この緊張性頸反射が残ってしまうと
・目で物を追いかけるのが動きが弱い
・文字を読むのが苦手
・ちゃんと歩けない
・よくものを落とす
・書くのが苦手
などの影響が。
うつ伏せや四つ這いになっている人の背中(背骨の横)を縦になぞることで、なぞった側の腰をクイっと上げる動作をする反射。産道を通る時に、お母さんの骨盤が背中に当たることで腰をクイクイ動かして産道を通りやすくするためにある反射などと言われています。なんか最近よく、「赤ちゃんの動きが可愛い」とかでテレビなどで見かけたりします。
生後9ヶ月ころまで残ると言われています。
この反射が残っていると
・姿勢が保てない
・お漏らししやすい
・集中力の低下
などが起こるようです。
この反射は、うつ伏せや四つ這いの状態で首を伸ばす(頭部を伸展させる)と、両腕を伸ばし両足を曲げる動作。または、首を曲げる(頭部を屈曲させる)と腕を曲げ、脚を伸ばそうとする動作を見せる反射です。
これは生後6~9ヶ月で発生し、9~11ヶ月で消失すると言われています。
この反射が残ると
・姿勢が悪くなる
・集中力の低下
・授業に集中できない(首を動かすたびに手足が反応するからそうなりますよね)
・ボール遊びが苦手
・水泳のクロールなどの協調運動が苦手
・手と目を使った連動する動きがうまくできない
などの影響があります。
代表的な原始反射について書いてきました。
もしかしたら、お子さんが苦手な動きや、授業に集中できない、落ち着かないなどのお悩みが場合、その子自身の問題ではなく反射の統合が行えていない、または再出現してしまっていることがあるかもしれませんね。
また、大人になっても残っている場合も同じで、脳震盪の経験がある・頭を強く打ったことがある・車を運転中に追突されたことがある、などでも反射が再出現することがあるようです。
そのほかの原因として考えられるのは
・妊娠中の母親のストレス
・病気や怪我による慢性的なストレス
・子供の頃の刺激が足りなかった
・その他の理由による発育不良
・食事の問題
などです。
結論から言うと、改善できる可能性があります。
原始反射は脳の機能が発達することによって統合されると先ほどお話しました。だとすれば、脳に対して適切な刺激を与えることで反射を統合することも可能であると考えられます。
どんどん便利になってくる現代に置いて、自宅にいてほとんどのことができるようになってきてしまいました。
また、コロナの影響により外で遊ぶことが少なくなった子供たち、また、大人の都合で遊び場を取り上げられてしまった子供たちもたくさんいるでしょう。昔ながらの体を目一杯使った遊びは、人間の身体や脳機能の発達を促します。そんな刺激が少なくなってしまった現代において、ここまでに書いてきたような症状に悩まされている方も少なくないのではないでしょうか?神経の病気が隠されていない限り、大人になっても感覚器への入力をすることによって、身体の機能は少しでも改善していくんじゃないかと僕は考えています。
子供たちもそうです。たくさん動かして、話しかけて上げることが、その子の発育が健全なものになっていくんだと思います。
もしもご自身やご家族に、ここまで書いてきたような症状にお悩みの方がいたら、反射の可能性も考えてみてもいいかもしれませんね。(もちろんそれが全てとは言えませんが)。
と言うわけで今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!